今回は、前回に引き続き青山学院大学・原晋氏の格言です。
『全ては否定しないことから始めないといけない』
【出典】日刊ゲンダイDIGITAL
第2弾となる今回は、青山学院大学陸上部を強豪校へと育て上げた原晋氏のマネジメント力についての学びを、『うまくいくリーダーだけが知っていること』(きずな出版)、『となりの億万長者が17時になったらやっていること』(PHP研究所)の著者であり、ソーシャルビジネスコミュニティ『ワクセル』の主催者でもある嶋村吉洋からの学びとともに紹介していきます。
モチベーションを保つ秘訣
この格言から原氏の教育やマネジメントに対する考えがうかがえます。
これは怒らない教育ということではなく、相手の意志を尊重し、信じることをさしています。
原氏は毎年生徒たちにその年の目標を話し合わせるそうですが、その目標がどうであれ上方修正させたり、下方修正させたりすることはないそうです。
これは、練習方法などについても同様で、うまくいかないだろうと思うことであっても一度は「自分の思うとおりにやってみたらいい」と言うようにしているそうです。
自分で決めた目標にすることでモチベーションが保たれ、自分で決めた練習方法でうまくいかなかったときに改善の過程で他者の意見が取り入れられるようになります。
自分で決めることがモチベーションを保つ秘訣となっています。
ひとを動かす
『ビジョンを持ち、理論や理屈を説くことは大切だが、どれだけ理屈を説いても最後は「おまえに託すから、おまえ自身のために、そして部のためにがんばってくれ」というような情に訴えるものがないと人間は動かないものだ』
ひとを動かすにはビジョンを伝えることももちろん大事ですが、頼りにしていることを伝えることや想いを伝えることも大事です。
自分の経験からも、役割を与えられ、頼りにされた時には、普段以上の力が湧くと感じます。
原氏は「人を動かすことができる人は、他人の気持ちになれる人である。」とも語られています。
他人の気持ちになれる人は自分が悩むことになりますが、その分人を動かすことができます。
そう考えると悩む経験もプラスに捉えて乗り越えていけそうな気がしてきます。
指導者の一貫性
『常にチャンスを与え、厳しく評価する』
『重要なのは評価がブレないこと』
これまでの内容をみると優しい印象を受ける原氏ですが、指導は一貫して厳しく、生活習慣の面でも多くの規則があります。
それでも選手たちがついてきた理由がこのことばに隠されていると思います。
評価は厳しいですが、評価がブレなければ選手たちは監督を信じて努力することができます。
そして、1回ダメだったらそれで終わりではなく、チャンスを与え続けることで選手たちも継続して挑戦できる環境をつくっています。
指導者が一貫性をもって方向性を示すことで選手も迷わずに突き進むことができます。
さいごに:嶋村吉洋氏からの学び
映画プロデューサーであり『ワクセル』の主催者でもある嶋村吉洋氏もマネジメント力を磨き続けてこられた方です。
ご自身のチャレンジする姿で引っ張っていくタイプで、原氏とはタイプが異なりますが、多くの起業家を輩出されています。
嶋村氏のまずは自分から相手に与える姿勢や、ひととして大事なことを徹底する姿勢は原氏のこれまでの教育にも通ずる部分があると感じました。