今回は、2000年から2005年までNHKで放映され、2024年4月から新シリーズがスタートした『プロジェクトX』で取り上げられたリーダーたちの格言を紹介していきます。
『思いはかなう。努力する人間を運命は裏切らない。道は必ず切り開ける。』
【出典】プロジェクトX リーダーたちの言葉/文春文庫
無名、有名に関わらず、さまざまなプロジェクトで活躍したリーダーにフォーカスしてきた番組である『プロジェクトX』からの学びを、『となりの億万長者が17時になったらやっていること』(PHP研究所)の著者であり、ソーシャルビジネスコミュニティ『ワクセル』の主催者でもある嶋村吉洋氏からの学びとともに紹介していきます。
コンピュータの天才
『挑戦者に「無理」という言葉はない』
【出典】池田敏雄ものがたり/富士通
このことばは、戦後の富士通でコンピュータの国産化を力強く推し進めた「コンピュータの天才」池田敏雄氏のことばです。
池田氏は天才であり、型破りな人間でもありました。
新しいアイデアが浮かび、それに思考が集中すると、何日も自宅にこもり、出社するのを忘れてしまう程でした。
彼の天才エピソードはとてつもないものばかりです。
ピタゴラスの定理の新しい証明方法を発見したり、囲碁ルールの論理矛盾を指摘し、改善案を提案し貢献するなど、多くの逸話が残っています。
このことばを残したのは、富士通で世界最速のコンピュータを作ると決めたときでした。
当時世界最速のコンピュータはIBMのもので、そのスピードは当時の富士通の100倍の性能がありました。
周りの技術者が口々に「無理だ」というなか、池田氏はこのことばを宣言し、実行しました。
過酷な海外出張の最中、くも膜下出血で51歳の若さで亡くなりますが、残された部下たちが意志を継ぎ世界最速のコンピュータを完成させます。
その速度はIBMの3倍。
一人の開発者が日本のメーカーを世界市場で戦えるステージに押し上げた瞬間でした。
広島の奇跡
『部下がついてくるかどうかはリーダーが苦しんだ量に比例する』
【出典】山本健一/Webモーターマガジン
このことばは自動車メーカーのマツダで世界で初めてロータリーエンジンの開発に成功した山本健一氏のことばです。
海軍の技術将校だった山本氏は、戦後、当時の東洋工業(現・マツダ)に入社します。
東洋工業を三輪トラックメーカーだと侮っていた山本氏でしたが。戦後の広島市内を走る三輪トラックが、復興に貢献する姿をみて考えを一転させます。
1963年にロータリーエンジンの開発を命じられると、山本氏は開発に心血を注ぎ、胃に穴があき、歯が抜け落ちる程、体調に変化があったものの、決して開発を諦めませんでした。
1967年、ロータリーエンジンを実用化し、搭載したコスモスポーツを販売。
このロータリーエンジンの開発成功に対し、欧米の自動車会社からは「広島の奇跡」と賞賛されました。
その後、1977年に経営者として取締役就任後、1984年に社長に就任しました。
プロジェクトXの生みの親
【出典】今井彰/日商 Assist Biz
冒頭の名言は、NHKのチーフプロデューサーでプロジェクトXを担当されていた今井彰氏のことばです。
この信念が、夢に向かって努力するひとたちを紹介する番組を作成する原動力になっていたことが伝わります。
さいごに:嶋村吉洋氏からの学び
映画プロデューサーでありソーシャルビジネスコミュニティ『ワクセル』の主催者でもある嶋村吉洋氏も、自分が描いたビジョンを叶えられると信じ、努力し続けられている方です。
「無理といった瞬間人間の脳は考えるのをやめる」ということを意識され、ことばをだいじにされています。
また、背中でみせることで部下を引っ張っていかれています。
一流の方たちの意識されていることを真似て、自分の行動に取り入れていきます。