今回は、世界中の誰もが知っている大作曲家であるベートーヴェンの格言を紹介します。
『人間はまじめに生きている限り、必ず不幸や苦しみが降りかかってくるものである。しかし、それを自分の運命として受け止め、辛抱強く我慢し、さらに積極的に力強くその運命と戦えば、いつかは必ず勝利するものである。』
日本では『運命』として知られている『交響曲第5番』の作曲家であるベートーヴェンの「運命」に対する考え方に触れられていて、とてもおもしろい格言だなと感じ、今回取り上げました。
みなさんはベートーヴェンの『運命』の正式名称が『交響曲第5番』だということはご存知だったでしょうか。
わたしは小学生のころにクイズ番組でこの事実を知り、衝撃を受けたことを覚えています。
では、この『運命』という呼称はどこから来たのでしょうか。
この由来はベートーヴェンの弟子であるアントン・シントラーが冒頭の「ジャジャジャジャーン」にはどういう意味があるのかと、ベートーヴェンにたずねたことから始まります。
この問いに対し、ベートーヴェンは「運命の扉をたたく音」だと答えたそうです。
ここから『運命』の呼称が生まれたといわれています。
今回は、壮絶な人生を生き、自分の運命と戦い抜いたベートーヴェンの格言からの学びと、ソーシャルビジネスコミュニティ『ワクセル』の主催者である嶋村吉洋氏からの学びを紹介していきます。
ベートヴェンの生涯
ベートヴェンは宮廷のテノール歌手であった父のもと、3歳から音楽のスパルタ教育を受けて育ちます。
その甲斐あって、7歳にして演奏会を開き、11歳で作品を初出版するなどたぐいまれな才能を発揮しました。
一方で、父親の教育は暴力的であり、曲が弾けるまで部屋へ閉じ込めたりすることも日常茶飯事だったようです。
父親はアルコール依存症になり職を失い、余計に子どもたちに辛く当たるようになり、そのことがその後のベートーヴェンの人格形成へ暗い影を落とすことになります。
その後、ベートーヴェンはさまざまな作曲家から音楽を学びます。
16歳のときにはウィーンへおもむき、敬愛するヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの前で即興演奏を行い、モーツァルトは「諸君、注目したまえ!彼はやがて、世間を驚かせるだろう!」と叫んだといわれています。
ベートーヴェンはその後も創作活動に精力的に取り組み数多くの名曲を完成させていきます。
「楽聖」として才能を発揮するなか、20代後半から耳の不調が始まり、30代を迎えたころには日常生活にも支障をきたすほどになっていました。
しかし、創作意欲は衰えず、38歳で代表曲である『交響曲第5番《運命》』と『交響曲第6番《田園》』を完成させます。
40代半ばを迎えると、ベートーヴェンの耳はほぼなにも聞こえない状態となります。
ほかの体調不良や家族の問題も重なり、一時は作曲活動へも影響を及ぼしましたが、創作をやめることはなく、53歳のときにベートーヴェンを象徴する曲であり、それまで誰も考え及ばなかった新たな機軸を盛り込んだ『交響曲第9番《歓喜の歌》』を完成させました。
その3年後にベートーヴェンは逝去し、作曲活動に捧げた人生に幕を閉じます。
ベートヴェンの人生は、親の過剰なしつけや自身の耳が聞こえなくなることなど、幾多の試練が重なった「運命」と闘い続ける人生だったのです。
ベートヴェンの運命の捉え方
この格言の素敵なところは、不幸や苦しみが降りかかってくることを「運命」として受け入れながらも、そこで諦めるのではなく、辛抱強く我慢し戦うことを教えている点です。
嶋村氏の講演会で、ご自身の生い立ちの話をうかがう際にも、同じ価値観を感じます。
嶋村氏は、起業するために高校を中退し早朝から深夜まで働き、21歳までに1,000万円の軍資金を作りました。
しかし、阪神・淡路大震災に被災し、実家が半壊し、実家をなおすための費用として軍資金のほとんどを失います。
普通ならばここで起業をあきらめてしまいそうですが、嶋村氏は、「軍資金はほとんどなくなった。この状況から大成功するにはどうしたらいいだろうか?」と考えられていたそうです。
さいごに:嶋村吉洋氏からの学び
嶋村氏は常々「なにかにチャレンジしていてもチャレンジしていなくても、壁にはぶつかる。壁にぶつかったときにどうするのか。見て見ぬふりをしてすり抜けるのか、その壁を乗り越えるのかがその後の人生を大きく変える。」と話されています。
わたしも「だからどうする?」を常に自分に問い続けて壁を乗り越えていく習慣をつけていきたいと強く感じます。
一流の経営者の人生観を学べることは非常にありがたく、ワクセルに携わる方や、コラボレーターの方のトークセッションや講演会も第一線で活躍されている方の大切にされていることが学べて本当に貴重だと感じています。
是非、一流から学び、運命と闘い続け、目標に向けてチャレンジし続ける人生にしていきましょう。