こんにちは
ちゃりです。
今日は、東京女子大学初代学長であり旧五千円札にも描かれた新渡戸稲造氏が作った詩より『情けは人の為ならず』という格言について考えていきます。
これを「情けをかけるのは他人のためにならないからやめよう」と思われることがありますが、これは誤りで「情けは他人のために施すものではない」という訳が正しいとのことです。
こちら全文で示すと
「施せし情は人の為ならず おのがこゝろの慰めと知れ
我れ人にかけし恵は忘れても ひとの恩をば長く忘るな」
これを現代語に訳すと「情けは他人のためではなく自分自身のためにかけるものだ。だから自分が他人にした良いことは忘れてもいい。でも、人から良くしてもらったことは絶対に忘れてはいけない」となります。
1、情けは自分に何をもたらすのか?
みなさんは「情けは他人のためではなく自分自身のためにかけるものだ」という一文を読んでどう感じますか?
困っている人を助けたり、チャリティに参加したりすることを「自分のために行う」とはどういうことなのでしょうか。
他人のために情けをかけるとき人は、情けをかけた人から何かを得ようとしてしまいます。
自分のために情けをかけるときは、他人のお役に立てているという「貢献感」を与えることができると思います。
この貢献感は人が生きる際に欠かせないの群居本能にも繋がています。情けを自分自身にかけるとは、自分の存在意義ややりがいを引き出すことなのだと思います。
2、信頼関係の極意
「自分が他人にした良いことは忘れてもいい人から良くしてもらったことは絶対に忘れてはいけない」の一文についても考えていきましょう。
やってあげた恩を何度もしつこく言ってくる人が居たら(恩着せがましいから関わらないでおこう)と距離を置かれるのではないでしょうか。
一方で、良くしてもらったことを絶対に忘れない人はどうでしょうか。事あるごとに「あの時はありがとうございました」とお礼を伝えられると、「かわいいやつだ、何かあったらまたすぐに協力しよう」と思う人が大半だと思います。
人生において人との信頼関係の構築は、非常に重要です。その信頼関係を築くのは「お互いさま」の精神であり「尊敬しあう姿勢」なのではないでしょうか。
さいごに
イギリスから始まり、社会に奉仕し善良な公民になることを目的に世界中に広まっているボーイスカウト。
この活動スローガンに「日々の善行」という言葉があります。
これは、自然や社会からの恵みに恩返しするために、善い行いを一日にひとつ以上自ら進んで実践しよう。と掲げています。
以前、私が困っていた際に助けてくれたボーイスカウトの方へお礼をしようとカバンを探っていると「ありがとうございました、今日も何か善いことができないか探していたところでした」と何も受け取ろうとせず足早に去っていき、その姿にとても感銘をうけました。
私も毎日善い行いをして、誰かに希望を与えられるような人になろうと決めた経験を思い出す格言でした。
【参考URL】
・『情けは人のためならず』の続き、知ってますか? “本当の意味”教えちゃいます! |ナンスカ
https://www.nansuka.jp/yamashitasairo/p001881/