今回は、米大統領戦に勝利し、大統領に返り咲きを決めた投資家ドナルド・トランプ氏の名言を紹介していきます。
『私の主な役割は、関係者全員が悲観的になっても、自分だけはポジティブでい続けることだ。』
出典:ドナルド・トランプ/時事ドットコム
トランプ氏は2016年から2020年まで米大統領を務めました。
今年の大統領選で、大統領に返り咲きを決めましたが、大統領経験者が返り咲きを果たしたのは132年ぶりの出来事とのことです。
米大統領としてだけでなく、ビジネスマンとしての成功や数々の逆境を乗り越えてきたトランプ氏の格言からの学びを、『となりの億万長者が17時になったらやっていること』(PHP研究所)の著者であり、ソーシャルビジネスコミュニティ『ワクセル』の主催者でもある嶋村吉洋氏からの学びとともに紹介していきます。
ポジティブでいつづける
ドナルド・トランプ氏は、大学卒業後、父親が経営していた会社『エリザベス・トランプ・アンド・サン』に入社し、仕事を通じて、不動産管理や投資などの知識を身に付けます。
3年後、25歳のときに父から同社の経営権を与えられ、社名を現行の『トランプ・オーガナイゼーション』に改めました。
トランプ氏は、ホテルやカジノ経営、航空業界やアメリカンフットボールなど多岐に渡り事業を展開します。
しかし、高い利回りの社債の発行や、回収が難しい多額の投資をおこなったこと、経営の知識のない妻のイヴァナに多くの実権を任せたことで経営が混乱したことがあだとなり、1990年にかけて巨額の債務を抱えることとなりました。
その後、カジノとホテルの倒産や、トランプ氏の浮気が発覚してイヴァナ氏と離婚するなど1990年代前半に多くの苦境を迎えます。
トランプ氏はそんななかでも、冒頭の名言にあるようにポジティブでい続けました。
この言葉からは、リーダーとしての心構えが如実に表れています。困難な状況で周囲がネガティブな思考に支配されてしまうとき、その空気に流されることなく、ポジティブでい続ける人の存在はチーム全体を救います。リーダーだけでなく、どんな人にとっても、前向きな態度を持つことは状況を好転させる大きな武器になるのではないでしょうか。
私自身も、予期せぬトラブルやプレッシャーに直面することがよくあります。そうした中で、ネガティブな考えにとらわれることも少なくありません。しかし、そのようなときに「ポジティブでいることができる人」が周囲にいると、その影響力は計り知れません。私たちは、自分がどんな状況でも「希望を示す灯台」のような存在になることを意識すべきなのだと、この言葉から感じました。
挑戦しないリスク
『やってみればいいではないか。失うものが何かあるのか?』
苦境に陥ったトランプ氏ですが、ロスチャイルド、ウィルバー・ロス、フィデリティ・インベストメンツと交渉し、協力をとりつけ、これらの肝いりでこの危機を切り抜けました。
また、資金調達のために「トランプ・オーガナイゼーション」のニューヨーク証券取引所への上場を行い、約12億ドルの調達に成功しました。
1990年代後半からは好景気も味方につけ、再びアメリカの大手不動産業者として返り咲きました。
この言葉は、挑戦することへの恐れを振り払う力を与えてくれます。多くの人が失敗を恐れるあまり、一歩を踏み出すことができないものです。しかし、トランプ氏のこの名言は、そのリスクを真正面から受け止め、「挑戦しないことこそ最大のリスクだ」と教えてくれます。振り返ってみると、私も「失敗したらどうしよう」と考えるあまり、挑戦を先延ばしにしてしまった経験がいくつかあります。しかし、実際に踏み出してみると、予想以上に状況がうまく進むことも多く、「挑戦するだけで可能性は広がる」ということを実感しました。この言葉は、そんな「やってみた結果、得られるもの」を改めて思い起こさせてくれます。たとえ失敗したとしても、それは新たな学びであり、次の挑戦への糧となるのです。
達成が始まり
『高みを目指す者は達成に甘んじない。達成が始まりとなる。』
トランプ氏は、2000年にアメリカ合衆国大統領選挙に出馬を表明しました。
改革党の内部対立がひどいことになっているとし、撤退しましたが、このころから政治に関与する姿勢をみせていました。
その後、2015年に再度アメリカ合衆国大統領選挙に出馬を表明すると当選し、2017年にアメリカ合衆国大統領に就任しました。
2021年に退任しましたが、2024年に再度アメリカ合衆国大統領選挙に出馬し、再選を果たしました。
この言葉は、成功をゴールではなくスタート地点と捉えるトランプ氏の視点を表しています。目標を達成した後にどうするかが、本当の成長を決めるという考え方は、ビジネスだけでなく個人のキャリアや自己実現にも通じます。一度の成功で満足するのではなく、その経験を活かして次のステップを見つけることが重要です。私自身、何かを達成したときに一瞬の満足感を得るものの、その後の燃え尽き感を味わったことがあります。そのたびに「次の挑戦」を意識して自分を奮い立たせる必要がありました。この名言は、人生を動き続けるプロセスとして捉え、変化し続けることの大切さを思い出させてくれます。「達成した」という過去形ではなく、「達成を始める」という未来形の姿勢を持つことで、より大きな目標に挑む勇気が湧いてきます。
最後に
ドナルド・トランプ氏の名言は、その内容がどれも「行動し続ける人」に向けられているように感じます。彼が成功を収め、数々の困難を乗り越えてきた背景には、ポジティブな姿勢や挑戦を恐れない行動力があったことがうかがえます。
映画プロデューサーでありソーシャルビジネスコミュニティ『ワクセル』の主催者でもある嶋村吉洋氏も、ポジティブに挑戦し続けられており、「計画はネガティブに、行動はポジティブに」ということを教えてくださいます。
どんな状況でも、ポジティブな視点を忘れず、成功を単なる終点ではなく通過点と捉え、失敗を恐れず挑戦し続ける。
そのような生き方ができるよう心にとめて行動していきます。