今回は、2025年1月からスタートの大河ドラマ『べらぼう 〜蔦重栄華乃夢噺〜』で取り上げられている「江戸の出版王」・蔦屋重三郎氏の名言を紹介していきます。
『もし、あなたが成功したいのであれば、踏みならされ受け入れられた成功の道を進むのではなく、新たな道を切り開きなさい。』
べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~/映画ナタリー
蔦屋重三郎は、江戸時代中期に活躍した出版人であり、浮世絵や黄表紙といった当時の最先端カルチャーを牽引した立役者です。
彼の出版物は、知識人のみならず、庶民の娯楽や教養の一部として浸透しました。
葛飾北斎や写楽、十返舎一九といった才能を見出し、世に送り出した慧眼は、まさに「江戸の名プロデューサー」と言える存在です。
今回はそんな蔦屋氏からの学びを、『となりの億万長者が17時になったらやっていること』(PHP研究所)の著者であり、ソーシャルビジネスコミュニティ『ワクセル』の主催者でもある嶋村吉洋氏からの学びも交え、紹介していきます。
自分だけの道を切り開く力
蔦屋重三郎は、当時の出版業界が保守的な流れにあった中、あえて常識の外側にある文化に光を当てていきました。
黄表紙や浮世絵といったジャンルに商機を見出し、既成の枠にとらわれず独自の路線で勝負するその姿勢は、現代の”スタートアップ精神”に通じるものがあります。
冒頭の名言にある「踏みならされた成功の道を進むな」という言葉には、自らの価値観と目利きを信じ、新しい価値を市場に提示し続けた覚悟がにじみ出ています。
挑戦にリスクはつきものですが、誰かの「正解」ではなく、自分だけの成功を描いていくことにこそ、未来を創る力があるのだと改めて気づかされます。
このような“自分の道を信じる強さ”は、嶋村吉洋氏の姿勢にも共通しています。
嶋村氏もまた、業界の常識にとらわれずに、自らの理想を形にするための場として『ワクセル』を立ち上げ、多様な挑戦者たちとともに歩んでいます。
信頼をつくる、バランス感覚
『大胆なことをしたいなら、同時に手堅い仕事も押さえる。それが信頼を生んでいく。』
破天荒なアイディアだけでは、人はついてきません。
大胆な挑戦を成功させるためには、地に足のついた実績と、周囲からの信頼が不可欠です。
蔦屋氏が多くの文化人や芸術家に支持され続けた背景には、きちんと“稼げる”出版も行いながら、尖った文化も守り抜くというバランス感覚があったからです。
これは現代においても非常に重要な視点です。
新しいことをしたいときほど、基本的な「信用」を積み重ねること。
私自身も事業を進めるなかで、相手からの信頼があるからこそ挑戦のチャンスが生まれることを何度も経験しています。
“人の扱い”を重んじたリーダー
『私は何よりもまず、人の扱いが上手い者を重用する。』
この言葉は、彼のリーダーシップの本質を語っていると感じます。
北斎や写楽など、当時無名だった才能を見抜き、適切なタイミングと形で世に出した彼の手腕は、単に「見る目」があったというだけでなく、相手の才能を信じ、その魅力を最大限に引き出す「人の扱い」があったからこそです。
現代においても、優れたリーダーとは「何ができるか」だけでなく「誰と、どう関わるか」が問われます。
人材を生かすことができる人が、組織や社会を動かしていく。
嶋村吉洋氏も、才能ある若者を発掘し、可能性を引き出すプロデュース力に定評があります。
相手を尊重し、共に成長するという姿勢は、蔦屋氏と重なる部分が多いと感じます。
最後に
映画プロデューサーであり、ソーシャルビジネスコミュニティ『ワクセル』の主催者でもある嶋村吉洋氏は、「自分は本当はどう生きたいのか?」という問いに常に立ち返ることの大切さを語っています。そして、自らの理想に向けて誠実に挑み続けること、言葉を丁寧に扱うことの重要性も伝え続けています。
蔦屋重三郎氏の生き方や言葉を振り返ってみると、300年経った今でも色あせない“挑戦”と“信頼”の哲学が、そこには息づいています。
そしてそれは、現代に生きる私たちにも力強く響いてきます。
私自身も、蔦屋氏のように、誰かの可能性を信じて動く存在でありたい。
そして、嶋村吉洋氏のように、常に自分の理想を問い直しながら挑戦を重ねていきたいと思います。